涼しくなってきました。
おだんご、饅頭、栗、芋、チョコレートなど夏にはあまり口にしなかったものが、無性に食べたくなります。
秋になった途端にそういった衝動にかられます。
そして、当店に置いてある漆器が気になってきました。
菓子皿に饅頭を並べたらとっても気品があり粋です。
お椀にけんちん汁を入れたらどんなに素敵でしょうか・・・
小鉢にはお漬物、四角皿には何を乗せようか・・・
当店の漆器は平田村において活動中の近藤保さんの作品です。
近藤さんは国産の漆でてぐろめという工程で漆を精製しています。
日本産はかたく仕上がるので傷がつきにくいそうです。
また、機械に頼らず、自分で精製する事にこだわるのも機械とは違い計算できない、仕上がりが読めない面白さがあるからだそうです。
近藤さんの漆器は根来塗りで、使いこむと塗料が剥げて、下塗りの色がでて味わい深くなってきます。
ちょっと油絵みたいですね。
べたべたと絵の具を重ねて削ってまた重ねて・・・計算できない面白さ・・・
奥が深いです。
手入れが大変なのでは・・・
と思われがちですが、しっかりと丁寧につくられている漆器はとても丈夫で基本的な使い方(しまっておかずに使い込む、火の近くに置かない、食洗機はさける、など)を守れば長く使う事ができます。
漆は防虫効果もあり、柱や天井にも塗られたりします。塗膜には保湿効果もありいつまでもしっとりとさせています。
まさに天然塗料です。
最終的には土に還る自然のものです。
(30年経たないと半減しないとか、2万4千年かかるとか、45億年とか、処理する場所がないとか、人間の力ではどうにもならないものとは大違いです)
【自然に還る 】とっても大切な事ですね。
近藤さんはよく
"漆器の扱いで所作が身に付く。子供の頃から覚えさせると、その人の大きな財産になる"
と口にします。
まさにその通りだと思います。
自然に身に付く所作・・・
思い切り敷居を踏んだり、挨拶の角度、お箸の持ち方など、思わぬ場所で恥ずかしい思いをする事がありませんか?
私は年を重ねる事にそんな事が増えてます(-。-;)
昔からある日本人の奥ゆかしい所作、しっかりと身につけたいですね。
明日は十五夜です。
家にある近藤さんの布張皿におだんごを盛って、風情を楽しみます
(*^▽^*)/
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